静電気でパソコンが壊れる

パソコンやスマホの静電破壊については、特に気にしなくていいよ。

という声も聞かれます。

 

私自身もデスクトップパソコンやノートパソコン、サーバ、L3、L2スイッチ、ルータ等のケースを開けて、内部のほこりを掃除したりしますが、人体による静電破壊と思われる故障は経験したことがありません。

2010年以降、数百台、数百回以上、パソコンやサーバのケースを開けて、静電気の対策をせず内部の基盤などに素手で触れています。

 

掃除などをした後は、特に支障なく使えています。

 

気付かない故障が生じていて時限爆弾のように、ある日、突然壊れるような原因を作ってしまったことがあるかもしれませんが、何か月も動き続けています。

2010年以前は、静電気を逃すための静電防止リストバンドを付けて作業していましたが、最近は、全く装着していません。

 

でも、パソコンなどのケースを開ける前には、静電気を逃すために、周囲の物体に触れるようにしています。

 

個人用パソコンの修理時の静電気対策は、これで十分だと思います。
あくまでも私見です。

 

静電気について

冬になると、ドアノブなどに指先が触れる瞬間に痛い思いをすることがあります。

夜間、体に溜まった静電気が指先などから出て行く様子を見ることができます。

逆に物体が静電気を帯びていて、その静電気が体に入ってくる場合もあります。

 

体に溜まった静電気が電気機器類に火花が飛ぶと、基板などに実装されたICなどの半導体が壊れ、故障につながります。

 

パソコンやサーバなどの半導体(CPUやメモリ等)にダメージを与え、動作しなかったり、起動しなくなってしまいます。

 

職場で、関係機関の担当者を招いて実際に体の電圧を計測してもらったことがあります。
実施した時期は、静電気が生じやすい冬でした。

 

計測された電圧は、約3,000ボルトから18,000ボルトでした。
電圧は高いですが、全体のエネルギーは少ないので、死ぬことはありません。

講師が用意してくれた衣類や道具なども使って実験をしましたが、会社のロングヘアーの女性が一番電圧が高かったです。
普段は、誰も彼女に触ろうとしません。

 

高電圧の静電気は、CPUやICなど半導体にとっては、致命的です。

当時、工場では、コンピュータ関係を含めた精密機器を作っていました。

工場のラインでは、従業員が、これらの機器の調整をします。

 

工場のライン内での不良のほとんどが静電気によるもの

ラインで製品を流している途中で、製品が壊れること(ライン不良)がありますが、壊れたもののうち、7割以上が静電気による半導体の破壊と考えられました。

 

従業員は、体から発生した静電気を逃がすためのリストバンドを付けてもらって作業をしていましたが、作業効率が悪いため、外してしまうことが多く、これにより、ライン内で不良が発生していたようです。

 

電気機器のケースから基盤を外した状態での作業が怪しい

ケースに基盤が収まっている状態で作業するラインの工程では、静電破壊と考えられる不良は、ほとんどありませんでした。

 

このような工程では、人体から発生した静電気は、ケースを通って工場のラインの台から床などに逃げていったと考えられます。
電源が接続されていば、電源のアースラインからも静電気が流れていきます。

 

デスクの上などでパソコンを使っていても、通常、静電気は、ケースやアースラインを通りますから、こわれないのと同様でしょう。

ケースから基盤が外された状態で調整する工程やケースを触らずに直接、基盤に触れるような作業の場合に静電破壊が多く起こっていると考えられました。

作業者をビデオで撮影し、じっくり観察すると、手の動きが早く、無駄な動きがない作業者は、作業に関係ないところを触らずに作業を行っていました。

 

電子パーツ付近に直接触れる場合があります。
触れなくても、火花が飛ぶことがあります。

少しでも基盤のアース側などを触っていれば、パーツは、壊れにくいと考えられました。
また、この作業者は、作業が非常に早いため、静電気が溜まりやすいと考えられました。
工場内では、冬、「痛てええ」という言葉を聞くことがあります。

 

このような背景から、社内教育の一環として、静電気研修を行いました。
その後、静電気防止リストバンドを必ず付けてもらい、さらに、お金をかけて対策をして、ラインでの不良率を下げることができました。

 

実際にICなど半導体パーツに高電圧を加えてみる

以前、高電圧を発生させる機器(最大100,000V)を使って、数百円のICなどに火花を飛ばして実験してみたことがあります。

意外にも壊れませんでした。

もちろん、壊れてしまったものもあります。

半導体の種類、メーカーによっても壊れやすいものがありました。
中には、内部で壊れかけていて、しばらくすると壊れてしまうものもあったかもしれません。

 

工場では、静電破壊と思われる半導体を解析会社に依頼して、解析してもらいます。

ミクロンレベルで、破壊されている様子が分かります。

 

これを見ると、しばらくすると破壊されやすくなるものもある。
というレポートをもらいました。