iPadは、コミュニケーションツールとしての利用に向いていますが、一部の業務では、使いくいと思います。
iPadが世に出た当時、すでに会社では、Windowsタブレット、Androidタブレットを検証用として購入していたのですが、操作性が悪かったり、重かったりして、使いにくいものでした。
そんなとき、すばやく起動し、直感的な操作性のiPadに誰もが可能性がありそうだと、同僚たちが購入し始めました。
ipadは、PDFや写真の共有、インターネットを使っての調べもの、社員間の連絡などなら、使いやすいと思いました。
同時に、Windowsなど、これまでの情報資産の利用やデータの保存などファイルサーバの利用、データ編集などに課題がありました。
それでも、同僚たちは、何とか使おうと時間を費やしていました。
同僚たちの声を受けて、当時、会社では、iPadをたくさん購入しましたが、その後、業務利用に向かないという声があちらこちらから出てきて、現在では、ほとんど使われなくなりました。
私の会社では、iPadが世に出た翌年の2012年に私の部署全員が使える台数が導入されました。
さらに次の年の2013年には、他の部署の営業や現地調査部隊の社員などが、ipadを営業や現地での修理、施工作業など、社外に持ち出して活用できるように、当初の倍の台数を導入しました。
導入したiPadは、会社のものですから、利用制限などがあり、社員からは使いにくいという声が聞かれ、個人持ちを併用して使っていた社員もいました。
それでも、何とか業務で活用できないか試すために、私の所属部署の8割の社員が、個人でもiPadを購入し、可能性を探ろうとしていました。
新しいものを導入するときは、慣れるまで時間がかかるからと、同僚たちは自分に言い聞かせて、検証を重ねていました。
その後、3年ほどでipadの利用率が減り、2016年頃になると、会社では、ほとんど使われなくなりました。一部の部署では、iPadやMACを中心に使っているところがあります。
iPadの個人持ちも、半数以下になりました。
電池が消耗したり、故障して、そのままに放置されたままになったりしているようです。
私の個人所有のiPadも壊れてしまい、修理に3万円以上かかるとのことでしたので、修理はしませんでした。その後、家庭用に購入していますが、業務では全く利用していません。
使われなくなった理由
- 仕事用アプリが少ない。仕事アプリは存在するが、業務では使いにくい。効率が悪い。
- プレゼン用アプリ(keynote)は、iPad上での作業効率が悪いため、WindowsPCのパワーポイントで作ってから、データをiPadにコピーし、keynoteに読み込むことが多いため、非効率だ。
- 無線でプレゼンをするのにAppleTVが必要。AppleTVの設定に時間がかかる。
設定するのにリモコンを使うが、操作性が悪い。
有線でプロジェクタに接続し、プレゼンするなら、パソコンで有線接続したのと同じ。タブレットPCのメリットはない。 - どこにデータが保存されるかわかりにくい。会社のサーバに保存したつもりが、iPad内のどこかに保存されてしまって、探すのが大変。写真など、内部で生成されたデータがどこかに残り、誰からに見られてしまう可能性がある。セキュリティ上、問題がある。
- iPad内のデータをパソコンなどにコピーするのに手間がかかる。
- 現場での資料編集が大変。キーボードとマウスがほしい。(買えばいいだけ。Windowsタブレットでも同じだが、Windowsなら現地で周辺機器を借りることができる可能性が高い。)
- 営業などで利用するデータをダウンロードするために、会社指定の特定のサーバを経由するが、設定や接続が大変。毎回、設定していた。
- Apple configuratorを使って、マックPCからUSB接続で複数のiPadの環境設定(UPDATE等)を行っていましたが、毎回、USBケーブルで接続し、設定するのが大変な作業でした。
- アプリ導入時のライセンスの問題
- Windowsタブレットの性能や操作性がよくなり、これまでの情報資産(Windows環境下で作成したもの)が利用しやすくなった。WindowsPC、Windowsタブレットなら、社員教育にかける時間が少なくてすむ。
- Windowsタブレットやノートが安くなり、iPadより、安く手に入る。
iPad導入当初は、外付けキーボードなどを自分で購入したり、ツールを導入したりして使っていましたが、使い勝手や効率は、パソコンのほうが上でした。
仕事上の相手先でプレゼン等をする場合、もたもたするわけにもいきませんから、慣れているパソコンのほうがよいという意見もありました。
また、上記のようないくつかの課題を解決するためのツールが売られていますが、それらを購入してまで、iPadを使うのかという意見もありました。
私の会社では主に出先でiPadを使用していましたが、外出時にiPad(外部キーボードも持参)と小型のWindowsパソコン、どちらも重さは変わらず、通常のWindowsパソコンの方が使いやすいということになり、iPadの使用頻度が減り、棚に置かれたままになりました。
その後、iPadは追加購入せず、Windowsパソコン(キーボード分離型)を営業などが購入しました。
会社の同僚たちは、個人購入では、Microsoft SurfaceとMouse(コンピュータ)に人気があります。Mouseコンピュータは、SSD搭載のノートPCが安いです。
ほかには、lenovo、HPが多いです。
Macbookの人もいて、iOS上に仮想環境をつくって、Windowsもインストールしています。
VMware(個人使用なら無料)というツールを使って、Windowsをインストールしています。
VMwareは、windowsパソコンでも利用できます。
windowsパソコンにVMwareをインストールし、その後、Linuxをインストールすることもできます。
iPad/iPhone、Android、Windowsどれにするか
現在、会社の同僚たちは、以下のように考えています。
- コミュニケーションツール、ネットの閲覧用としてだけなら、iPadやiPhoneでもよい。Android、Windowsでも、同様の利用目的なら問題なく使える。
- 初めてタブレットやスマホを買う場合は、iPadやiPhoneが直感的。最近は、Android、Windowsでも問題なく使える。
- 他の端末との連携(データ共有)を考えない場合は、iPadやiPhoneでもよい。そうでない場合は、Android、Windowsが連携しやすく、効率的に作業できる。
- ツールとして効率よく使うなら、AndroidかWindows
コミュニケーションだけなら、iPad、iPhone

iPad、iPhoneのデータ移行
iPadやiPhoneの買い替えや撮りためた写真などを残したいのだけど、という相談を親族や知人などから受けることがあります。
WindowsパソコンにUSB接続でつないで、「itunes」でデータを取り出します。
2万枚以上の写真と数百の動画など探し出して、取り出しますが、半日かかります。
データの中には、自動生成されファイル名が異なる写真が複数あります。どれががオリジナルだろうと思い、Windowsパソコンで比較しながら作業します。
さらに、取り出した後、内容や日付を見ながらフォルダを作成し、整理します。
子供たちのためにキーボード環境が必要
最近、同僚の間では、こんな話をしています。
学校でパソコンの授業があると思うけど、それだけでは、効率よくキーボードが使えないかも。
会社に入ったら、キーボードを使って業務処理をすることは当たり前のようにあります。
スマホだけを使っていると、キーボードが打てなくなるから、キーボード付きのPCがいい。
確かにその通りだと思います。
私は、若い人は、すぐに慣れるから心配ないと思っていますが、人差し指だけで操作している人、慣れようとしていない人を見ると、日頃から操作している人のほうがよいと思うこともあります。
先日、仕事の関係で大学教授と話す機会がありました。
最近は、大学生の多くが、スマホを利用し、キーボードに慣れていないから、情報関係の実習で、キーボードに慣れるための時間をつくっているらしいです。
小中学校や高校でもパソコンの授業をやっているようですが、私の子供に聞くとマウス操作だけでなんとかなる授業が中心で、キーボードによる入力は無くても操作できてしまうそうです。
キーボード操作できる子は、入力しているようです。
スマホなら、bluetoothでキーボードに接続できます。
可能なら、各家庭でも、キーボード環境を与えておくとよいと思いました。
ゲームをやっている子供たちは、キーボードを使って文字入力をしています。