ハイシーズン、富士山は登山道が渋滞し、山小屋は満員です。
山小屋の様子などを紹介します。
富士登山を考えていて、山小屋の利用を検討している方への情報提供と思い書かせていただきます。
これまで、私は、5回チャレンジし、うち4回は、悪天候のため、7、8合目まで登り、そこで断念しました。
すべて吉田ルートで、夕方から夜間に5合目を出発し、ご来光の時間に登頂する計画でした。
今回、山小屋の利用が含まれた富士登山ツアーに参加しました。
初めて富士山の山小屋を利用しましたが、左右の人との距離が近すぎて、眠ることはできませんでした。
ハイシーズンの富士山の山小屋では、上の図のように頭 ‐ 脚 ‐ 頭のように交互に並びます。混雑していなければ、ふつうに同じ方向に並んで眠れると思います。
図では、隣同士距離がありますが、会議用の長机くらいの幅に2人が寝るようなもので、ギューギューのすし詰め状態でした。
60cmくらいの幅に2人が交互に入るイメージです。
顔を横に向けると、お隣さんの足が目の前にあります。ここまで登ってきた足ですから、臭いもあります。
私の足も臭っているはずですから、隣の人の顔に近づけないよう仰向けになり足をピタッとくっつけていました。眠ってしまうと脚に意識がいかなくなるため、お隣さんに迷惑をかけてしまうと思いました。
腕は、お腹の上で組むようにしました。そうしないと幅をとってしまい両隣の人に迷惑をかけてしまうからです。
中には、マスクをしている人もいました。お隣さんの脚の臭い対策だと思いました。
横向きに寝たほうが、自分の占有する幅が狭くなり、布団を有効に使えると思うのですが、他人のほうを向くと顔の前に脚があるため、横向きになれません。
中には、向き合っているカップルや友達同士の人もいます。
お互いの脚の臭いを嗅ぎながら向き合っています。
隣同士なれたカップルや家族はラッキーだと思います。
山小屋に入るとき、すでに寝転がっている人がいっぱいですから、離ればなれになっているカップルや家族が大勢いました。家族が一つになれるよう、場所を移動して変わってくれようとする方もいますが、移動しようとして一瞬でもスペースが空くと、隣の人が腕や体を広げてしまいスペースが埋まってしまいます。また、これまでのやりとりを知らない人が空いた隙間に入ってこようとする場面もありました。
こんな状態ですから、トイレに立つこともできません。
山小屋に入る前にトイレに行っておくとよいと思います。
私はトイレに行けずにツアーガイドさんの手招きにしたがって、小屋に入ってしまいました。
いっしょにツアーに参加していた方は、山小屋に入る前にトイレに行ったのですが、山小屋で横になることができませんでした。
山小屋までの登山道は人でいっぱいで、トイレも人が並びます。
ガイドさんは、私たちツアー参加者を順番に山小屋に入れたのですが、人が多すぎてトイレに立った人の確認ができなかったと思います。
山小屋の中で泣いている子がいました。
家族連れですが、何もしてあげられません。
外は寒いし、子供さんが安心して休めるような状態ではありません。
山小屋の中で休んでいる皆さん、大変お疲れです。
いびきも大きいです。
隣の人に顔を蹴られてしまう人もいます。
寝相が悪い人の横になった人は、寝ることができず山小屋から出ていきました。
私は、自分が周囲に迷惑をかけてしまわないか考えたり、泣いている子や困っている人がいたりして気になってしまい眠れませんでした。
山小屋での仮眠は2時間とってありましたが、私は、1時間ほど横になり、外に出ました。
外に出ると、星空が広がっており、ご来光が期待できました。
山小屋の外では、頭痛で辛そうにして座っている人もいます。
嘔吐しながら苦しそうにしている子もいます。
3,000mくらいから高山病になる人が多いそうです。
富士登山の場合、体への負担軽減を考え、7、8合目の山小屋で一休みするプランがよいそうです。
医薬品
頭痛になる人は多いです。知人同士で登山をすると、半分以上の人が頭痛になります。私は、頭痛薬、正露丸、絆創膏、包帯などのファーストエイドキットをもっていきます。
富士山山小屋の予約
個人では予約できない?
過去、数回、個人で予約しようとして、電話しても、電話がつながったことがなく、個人で利用したことはありませんでした。
飛び込みでの利用は、人が多すぎて、一目で無理とわかります。
スタッフに声をかけてみたことがありますが、忙しそうに動いており、声が届きませんでした。
今回、ツアーの富士登山で、初めて山小屋を利用しました。
上で書いたとおり、ツアー参加で予約があっても、特別な場所や部屋を利用できるわけではありません。
(参考)
他の山の山小屋でも同じように、予約しようとして電話しても、電波の状況が悪かったり?、忙しかったりして?、つながらないことがあります。
中には、「予約しても無理だよ。そのときに入りたい人は全員入れるから」と説明されることがあります。山では悪天候時には、全員を入れることがあります。
混み合っていない山で、通常の天候なら、予約すれば、食料と寝る場所は確実に確保できます。
空いていれば、飛び込みでも寝るところだけは確保できる山小屋もあると思います。

富士山山頂目前でご来光
これまで4回、山頂でのご来光を拝むことはできませんでしたが、今回も登山途中で夜明けを迎えてしまいました。
吉田ルートは、登山途中でも、ご来光を拝むことができます。
ハイシーズンは、登山に時間がかかります。
今回、夕方、5合目を出発し、午後11時頃に8合目の山小屋に着きました。
午前1時に8合目を出発しましたが、ご来光の時間には山頂に届きませんでした。
ハイシーズンは人が多く、一歩一歩、ゆっくりゆっくり登っていくため、自分のペースで歩くことはできません。自分のペースなら、もう少し早く歩いてもよいと思っていても、前が使えているため進むことはできません。
今回、登りにかかった時間は、山小屋での休憩を除くと、11時間でした。
下山
登る時間より早く下りられます。
3.5時間くらいで5合目まで下りることができました。
ほぼコースタイム通りでした。
吉田ルートの下りは、溶岩の小石の中に足を突っ込む形になるため、それがクッションになり、他の山の下山ほど、脚への負担が少ないです。
トレッキングシューズは、ハイカットを使うとよいです。
足首くらいまで足が潜り込みますから、ふつうのスニーカーでは、小石が靴の中に入ってしまいます。
ソールが剥がれている人を何人か見ました。私も過去にソールが剥がれてしまった経験があります。応急処置として紐や包帯でしばったり、テープを巻いている人もいました。
温泉に浸かる
ツアー参加なら、5合目からバスで温泉まで連れてってくれる場合があります。
温泉まで、皆さん爆睡です。
今回、河口湖近くのお風呂に入りました。
個人登山でも、1000~2000円くらいでお風呂に入れます。
個人での登山は、帰りの移動や車の運転が辛いと思います。
お風呂まで行くだけで疲れてしまいます。
防寒具とレスキューシート
フリースやセーターなどの防寒具とともに、レスキューシートも持参します。
夜間は、零度以下になることがありますから忘れないようにします。
レスキューシート
レスキューシートは、ホームセンターの防災グッズのコーナーで売っています。
荒天時、山小屋に入れないときや、近くに山小屋がないときに、使うことがあります。
大きな溶岩の岩があり、風よけになります。
登山道の途中で、レスキューシートやビニールシートにくるまっている休んでいる人を見ることがあります。
マイカー規制
マイカー規制がないときは、5合目に駐車することができます。夕方から駐車場が混み始めます。停められないときは、駐車場から離れたところに停めることになります。登山道とは反対側になるため、歩く距離が伸びます。
可能なら、午後3時くらいまでに到着できるとよいと思います。午後の明るい時間なら、帰る登山者との入れ替わりで駐車できる思います。登山目的でないときに5合目まで行ったことが数回ありますが、午後3時頃から駐車場が埋まっていきました。
2019年のマイカー規制は、7月10日 ~ 9月10日でした。
山開きの7/1~10までなら、5合目の駐車場までマイカーで行けます。
マイカー規制機関中の駐車場は、富士山パーキングは無料です。駐車場から5合目までは、有料のシャトルバスがあります。
金剛杖
5合目、登山口付近で購入できます。
体力のある方は不要かもしれません。山小屋で焼き印を押してもらえます。
混雑しているため、周囲の人に邪魔になりそうで、持っていることがストレスになりました。
脚や膝の負担を軽減させる目的なら、登山用のトレッキングポールがあるとよいです。
T字タイプは上から押さえるように握れ、下りのときに使いやすいです。
トレッキングポールの先端はゴムのものが多いです。また、伸縮できるタイプが多いので登りと下りで長さを変えることもできます。短くしてザックにしばりつけておくこともできます。
私は、T字型を使っています。
スキー用のストックを使う場合は、キャップを付けます。
先端が金属製のものや尖っているものは、危険です。
登りの場合、先端が後ろの人の顔に当たることがあります。
ヘッドライト
夜間に登山するなら、手がフリーになるヘッドライトが便利です。
一晩中点灯させますから、電池の残量を確認しておきます。
ボタン電池タイプなら、予備電池も軽くてすみます。
私は、マグライトも持参します。ヘッドライトが故障したときに、使えます。同行者がヘッドライトを忘れたり、持参したけど故障したりしたときに貸すことが、ときどきあります。
水は、2~3リットル必要です。
2~3リットル(2~3kg)を運ぶと体力を消耗するので、1リットル程度持参し、必要になったら購入してもよいと思います。
すぐに取り出して飲めるよう、500ミリリットルのペットボトルに入れるのがお勧めです。私は、2リットル持参します。
水の価格は、5合目でも、少し高いので入山する前に買っておくとよいです。
2000年前後、5合目でトイレの手洗い場の水を飲料用として汲んだことがありますが、現在は、「水は飲めません」と書いてあります。
スポーツドリンクより水
スポーツドリンクがよいと思うのですが、私は、水を持参し、塩飴、サプリメント等を持っていくようにしています。乾燥梅干しやナッツ類を持参する方もいます。甘いものも少しあるとよいです。少しずつ食べるため、個包装のものが便利で、すぐに取り出せるようなところに入れておきます。
水は、怪我をしたときに使うことができます。
残った水をタオルに浸み込ませて使うこともできます。
以前、私は、スポーツドリンクを持参したことがあったのですが、ザック内にこぼしてしまい、上着やタオルなどがベトベトになってしまったことがあります。夜間、冷えてきたところだったので困りました。朝まで乾くことはありませんでしたので、代わりに合羽を着ました。
この経験から、私はスポーツドリンクを持参しないようにしています。
また、30リットル程度のゴミ袋をもっていくようになりました。
また、小さなポリ袋に濡れては困るものを入れておきます。
手袋は、2、3セット持っていき、濡れたら交換します。
合羽
合羽は必需品です。
下界が晴れていても、5合目より上は、雲がかかっていて、霧状の中を進むことがあります。また、夜間は冷えるため、防寒用としても使えます。
農作業などで使うものが機能的で安く購入できます。
ワークマンなど、作業服専門店などで購入できます。
富士山は、風が強いため、ビニール製のものは破れてしまいます。
また、ポンチョも役に立ちません。
帽子も飛んでいきます。
観光客向けの馬
富士山は7合目まで、馬で行けます。
馬の撮影は有料なんですね。
つながれている馬を撮影しようとカメラを向けたら、「撮影料2000円」と係りの方?から告げられました。帰ってから、調べてみると、モデル料300円でした。
乗馬の関係者と思った人は、偽物だったようです。
どこの山でも、水やスポーツドリンク、食料が高いのは周知だと思いますが、富士山では馬の撮影も有料だとは知りませんでした。
富士登山には、注意事項があります。
下記のサイトで確認できます。